「使いたい!輸入しよう!」では輸入できないCBD
こんにちは!hersCBDです。
hersCBDでは国内外問わずCBDプロダクトの紹介を行っています。hersCBDの記事を読んで海外のCBD製品を知り、「これ試してみたい!」と思った方もいるのではないでしょうか?
CBD製品には、原料や種類によって様々な規制がある
しかし、「使いたいから輸入しよう!」という気持ちだけでは日本に輸入できないのがCBD製品です。CBD製品の輸入にはいくつもの規制とステップが存在するからです。
この記事では、海外のCBD製品を日本に輸入するために必要なことや注意点を紹介します。
なお、この記事は個人が自分で利用する場合(商用利用でない)を想定して書かれています。商用利用する場合は記事に記載の内容に加えて、薬機法や食品衛生法をはじめとした法律が絡んできますのでご注意ください。
日本のCBD規制
前提として、2021年3月現在の日本におけるCBDは、
①THC(テトラヒドロカンナビノール)と呼ばれる、いわゆる「ハイ」になる成分が0%(フリー)であること
②そのCBDが、大麻草の茎と種から抽出されたものであること
上記2つの条件を満たし、証明できる場合にのみ合法とされます。
CBD製品輸入の流れ
輸入する際のフローは、
(1)製造メーカーへ必要な書類を依頼し、用意してもらう
(2)書類を事前に厚生労働省へ提出する
(3)許可が降りれば、製造メーカーや小売店より日本へ発送
(4)税関を通過すれば、無事に日本へ到着
上記のような複雑な流れになっています。
(1)必要な書類の依頼
必須となる書類は3点、①THCフリーであることを証明する成分分析表②製造工程書類③証明書です。
①THCフリーであることを証明する成分分析表
輸入しようとしている製品に、THCが含まれていないことを証明する必要があります。
多くのメーカーは成分分析表(CoA)と呼ばれる、外部または内部の研究所のテスト結果を公表しています。成分分析表にはCBDやTHCを含む他のカンナビノイドの含有量が記載されています。
参考にCBDfx Japan社の成分分析表ページを紹介します。
CBDグミ 300mg ミックスベリーの成分分析書を見ると、「Total THC」が「ND(Not Detected=未検出)」と記載されており、こちらがTHCフリーである証明になります。

海外CBD製品を日本に輸入したい場合は、THCフリーである成分分析書が必須となります。製造バッジと合った成分分析表が公開されていない場合はメーカーに依頼して用意してもらう必要があります。
なお、この成分分析書における「THCフリー」は、LOQ(Limit Of Quantitation:定量限界値)ではなくLOD(Limit of Detection:検出限界値)である必要があります。
②製造工程書類
最もハードルが高いのが製造工程書類です。
THCフリーの製品であっても、そのCBD原料が大麻草の茎と種から「のみ」抽出されたものであることを、製造過程の写真を用いて証明する必要があります。原料の製造過程はもちろんユーザは知らないものなので、メーカーに依頼して製造過程の写真を用いた工程書類を作成してもらう必要があります。
CBDは大麻草の花や葉、枝、茎、種から抽出されます。しかし、大麻草の茎と種には非常に少ないCBDしか含まれていないため、一般的には大麻草全体(Whole Plant)またはエアリアルパート(Aerial Partで「空中」の意。主に花と葉を指す)からCBDを抽出しているメーカーがほとんどです。

hersCBDがコミュニケーションをとっている原料メーカーでも、THCフリーのメーカーは多々ありますが、茎と種から「のみ」CBDを抽出しているメーカーはほとんど存在しません。
好きな海外CBDプロダクトの商品が種と茎から抽出された原料であることを確認し、メーカーに煩雑な書類を用意してもらうという二重のハードルを超える必要があります。
③証明書
輸入するプロダクトの種類と、原料に種と茎のみを使っていることが記載された書類です。製造メーカーに依頼し、用意してもらう必要があります。
(2)厚生労働省への申請
①②③全ての書類を揃えたら、メーカーが発送する前に厚生労働省に提出します。こちらで承認されれば、発送手続きを開始することができます。
ただ、簡単に承認されるわけではありません。実体験に基づきますが、2021年2月現在、厚労省の確認には1ヶ月半程度はかかってしまうようです。
第2回「大麻等の薬物対策のあり方検討会」資料内の図でも、輸入に関わる確認件数が大幅に増加していることが見て取れます。

(3)許可が降り次第、メーカーから発送
厚労省から許可が降り次第、メーカーから発送できます。
なお、「厚生労働省に認可された=問題なく税関を通過できる」ではありません。取引実績などによっては税関で止められる・没収される可能性もあります。
(4)無事到着!
無事通関手続きが完了すると、商品が到着します。
CBD製品の輸入はかなりハードルが高い
ここまでの記事で説明した通り、海外CBDプロダクトの日本への輸入には幾重ものステップを踏む必要があります。
海外メーカーの協力も必須であり、英語力も必要となるため、軽い気持ちで輸入を行うのは正直なところコストパフォーマンスが非常に悪いです。
海外メーカーも、CBDオイル1個や2個のために面倒な対応をしてくれるわけではなく、ある程度のMOQ(Minumum Order Quantity=最低発注数)を設けていることがほとんどです。
だからと言って、正規の手続きを踏まないで輸入しようとした場合は税関での没収や(THCが含まれる製品だった場合)麻薬取締法違反となる可能性があります。輸入する際は、必ず正規手続きを経てください。
代理店へ直談判するのも一つの手?
現在日本で流通している商品(例:Pharma Hemp、grön、CBDfx)も、これらの手続きを経た代理店によって販売されています。どうしても欲しいプロダクトがある場合は、代理店に取り扱いを相談・提案してみるのも一つの手かもしれません。