※注:この記事は、法律で禁じられている行為を推奨するものではありません。
大麻の呼び方
大麻には、隠語も含めると数百種類の呼び名が存在すると言われています。実際に、マリファナやウィード、ヘンプ……さまざまな呼称で呼ばれているのを聞いたことがあるかと思います。
これらの呼称の違いはなになのでしょうか?この記事では、代表的なものをいくつか紹介したいと思います。
そもそも「大麻」「大麻草」とは?
大麻=大麻草を樹脂化・液体化させたもの
大麻とは、アサ科アサ属の植物であるアサ(麻、大麻草とも呼ぶ)の花冠、葉を乾燥または樹脂化、液体化させたものを指します。
日本の大麻取締法1条においては、大麻は、
「大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品をいう。ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く)並びに大麻草の種子及びその製品を除く。」
と規定されています。
学名はカンナビス・サティバ・エル
アサの学名はカンナビス・サティバ・エル(Cannabis sativa L)です。
学名の由来はギリシャ語で「管」を意味する「Kannabis」、「有用なもの」または「栽培されるもの」を意味する「Sativa」、学名の最後の「L」は、命名者であるリンネ(Linné)のイニシャルです。
植物の学名では命名者名が省略されることも多く、その場合は単に「カンナビス・サティバ」と呼ばれます。
カンナビス、キャナビス(Cannabis)
「カンナビス」は日本でいう大麻草の英名で、広く一般的に用いられる呼称です。
後述する「ヘンプ」も「マリファナ」も「カンナビス」に含まれるため、後述部分では、ヘンプとマリファナを総称して「カンナビス」としています。

ヘンプ(Hemp, Industrial Hemp)
カンナビスの中でも、向精神作用のあるTHC(テトラヒドロカンナビノール)が0.3%未満の品種を指します。
ヘンプは産業用ヘンプとも呼ばれ、麻の実を用いた油(ヘンプシードオイル)や繊維、工業製品の原料などに利用されています。農作物として栽培できるように法整備をしている国も増えています。
マリファナ(Marijuana)
カンナビスの中でも、THCの含有量が0.3%以上のものを指します。マリファナは品種によってはTHCの含有量が30%以上になるものもあります。
アメリカのメキシコ系移民が用いる、大麻を表すスペイン語「marihuana」が語源とされています。
「マリファナ」をめぐる人種差別の問題
有名な「マリファナ」という呼び名ですが、合法化が進むアメリカなどでは「人種差別的である」という理由から使用を避けるべきだという声も挙がっています。
「マリファナ」という呼び名には、黒人やヒスパニックなどのマイノリティへの差別的な要素がが含まれているためです。
メリージェーン(Mary Jane)の語源にも
大麻の愛称でもある”mary jane”は、”marijuana”を読み間違えたことから生まれたというのが通説です。
ポット(Pot)
1970年代初頭のアメリカで生まれた、カンナビスの俗称・スラングです。
ウィード(Weed)
1980年代後半のアメリカで生まれた、カンナビスの俗称・スラングです。「雑草」を意味しています。
ガンジャ(Ganja)
サンスクリット語から派生した、ヒンディー語でカンナビスを表す言葉です。主にインドで用いられます。
どの呼称を用いるべきか?
ここまで紹介した大麻草の呼称はいずれも正しいものなので、どれを使用するかは個人の裁量に任されています。
参考記事
「アサと麻と大麻 有用植物から危険ドラッグまで」 日本薬科大学教授 船山信次